偽情報と誤情報の違いとは?見分け方・確認手順・ファクトチェック方法

情報の信頼性 公開 2026-10-06 / 最終確認 2026-10-06 / サイトスカウター編集部

結論から言うと、偽情報と誤情報の違いは「間違いと知っていて広めたか、本当だと思って広めたか」という意図にあります。総務省は、偽情報を意図的・意識的に作られたウソの情報、誤情報を勘違いや誤解により拡散した間違い情報と説明しています。これに、事実に基づくのに相手を傷つけるために使われる「悪意ある情報」を加えた3つで整理するのが、国際的によく使われる考え方です。

ただ、読む側が「この投稿はどちらか」を見抜く必要はありません。意図は外からは分からないことが多いからです。大切なのは、種類を当てることよりも、誰が出した情報か、元の情報にたどれるか、いつの情報か、他の情報源とも一致するかを確かめる習慣です。

この記事では、定義の違いを公的資料で確認したうえで、1つの情報を確かめる具体的な手順、サイト自体の客観的な指標の見方(とその限界)、生成AIやディープフェイクの注意点、相談・確認先を順に説明します。

偽情報・誤情報・悪意ある情報・フェイクニュースの違い

まず、似た言葉を整理します。区別の軸は「内容が事実かどうか」と「害を与える意図があるか」の2つです。

用語内容意図定義の要点
偽情報(ディスインフォメーション)事実ではない広める側が偽と知っている意図的・意識的に作られたウソの情報(総務省)
誤情報(ミスインフォメーション)事実ではない本人は本当だと思っている勘違いや誤解により拡散した間違い情報(総務省)
悪意ある情報(マルインフォメーション)事実に基づく人・組織・国に害を与える目的現実に基づくが、危害を加えるために使われる情報(UNESCO)

偽情報(disinformation)

UNESCOのハンドブック(2018年)は、偽情報を「偽であり、それを広める人が偽だと知っている情報」、つまり意図的な嘘と説明しています。組織的に作られ、何度も形を変えて出回ることがあります。

誤情報(misinformation)

同じハンドブックでは、誤情報を「偽の情報だが、広める人は本当だと信じているもの」としています。災害や事件の直後に、善意で「みんなに知らせなければ」とシェアした情報が実は間違っていた、というのが典型です。広めた人に悪気はなくても、結果として害が出ることがあります。

悪意ある情報(mal-information)

日本語では「悪意ある情報」「害を及ぼす真実」などと訳されます。UNESCOのハンドブックは、現実に基づいているが、人・組織・国に害を与えるために使われる情報としています。たとえば、公益性の説明がないまま私生活に関する事実を暴くようなケースです。内容は事実でも、使い方によっては問題になる、という点が前の2つと異なります。

フェイクニュースとの関係

「フェイクニュース」は広く使われますが、意味がはっきりしない言葉です。UNESCOのハンドブックは、フェイクニュースをめぐる議論が誤情報と偽情報という2つの異なる概念を混同しがちだと指摘しています。そのため、同ハンドブックは「フェイクニュース」を定義語としては使わず、偽情報・誤情報という枠組みで整理しています。日本語の記事で「フェイクニュース」とあれば、意図の有無を含めた広い意味で使われていることが多いので、文脈で読み分けてください。

なお、3つは重なり合います。もともとは誤情報だったものが、後から悪意を持って利用されて偽情報として再拡散される、といった動きもあります。UNESCOのハンドブックも、実際の事例ではこれらが組み合わさって現れると述べています。

図1 誤情報と偽情報の違い(意図で分ける)
× 誤情報×本人は本当だと信じている×善意でシェアすることも多い×指摘されれば訂正しやすい○ 偽情報○偽と知りながら作り・広める○人を混乱させる意図がある○形を変えて繰り返し出回る
内容が誤っている点は同じ。違いは広める側の意図です。

ネットで拡散しやすい情報の特徴

総務省や内閣官房の啓発資料は、偽・誤情報に共通する注意点として、情報の出どころ・時期・根拠、そして画像や動画の真正性を挙げています。ここでは、「確認してから広める」ために、立ち止まるきっかけになりやすい特徴をまとめます。これらは、情報が偽であることの証拠ではなく、確認を始めるサインです。

  • 強い感情を引き出す:怒り・不安・驚きを煽る言い回しは、中身を確かめる前に反応させる効果があります。
  • 「拡散希望」「みんなに知らせて」:確認より先に広めることを求めています。
  • 出どころが曖昧:「知人の話では」「関係者によると」だけで、元の資料や発言者が示されていません。
  • 日付が分からない・古い:過去の出来事の画像や記事が、最近のものとして再投稿されることがあります。
  • スクリーンショットだけ:元の投稿やページが確認できない画像は、加工や切り取りの有無を判断できません。
  • 自分の考えと一致しすぎる:自分が信じたい内容ほど、確認が甘くなりがちです。
  • 断定的で例外がない:「絶対」「100%」「全員が」など、実際の調査ではあまり出ない言い切りです。

内閣官房の「偽情報にだまされないために」でも、情報源の確認、他の発信者やメディアとの照合、画像・動画の真正性の確認に加えて、その情報がなぜ拡散されているのか、背後の意図を考えることが挙げられています。次の章で、実際の確認手順に落とし込みます。

一つの情報を確認する手順(偽情報の見分け方)

気になる投稿や記事を1つ取り上げて確認する流れです。総務省の「インターネットとの向き合い方」にある基本の4点(複数の情報を比べる・発信元を確かめる・いつの情報か確かめる・一次情報を確かめる)を軸に、画像の逆引きを加えた形で説明します。数分でできる作業ばかりです。

手順1:誰が出した情報かを確かめる(運営者情報)

投稿者のアカウントや、記事を載せているサイトの運営者情報を見ます。確認したいのは次の点です。

  • 運営している個人・会社・団体の名称が書かれているか
  • 連絡先(問い合わせ窓口)や所在地があるか
  • 記事の執筆者や監修者が分かるか、その人はその分野の専門家か
  • 過去に同じ発信者が誤りを指摘されていないか(検索すると分かることがあります)

運営者情報がない、または名前だけで実体が確認できない場合は、その情報だけで判断せず、別の情報源での確認を優先します。

手順2:元の情報(一次情報)にたどれるか

「調査によると」「専門家が言っている」と書いてあるなら、その調査や専門家の発言そのものを探します。官公庁の発表、論文、企業のプレスリリース、本人の公式アカウントなどが一次情報です。リンクが示されていない、示されていても内容が記事の説明と一致しない場合は注意が必要です。ニュース記事の引用の引用になっている場合は、大元までさかのぼります。

手順3:日付を確かめる

記事の公開日・更新日、投稿の日時を確認します。出来事の日付と、その情報が出回り始めた日付が合っているかも見ます。古い情報が、今の出来事として語られていないかが要点です。

手順4:画像・動画を逆引き検索する

画像が使い回されていないかは、画像検索で確認できます。Googleの場合、画像をアップロードする、画像のURLを貼り付ける、Chromeで画像を右クリックして「Googleレンズで検索」を選ぶ、といった方法があります。同じ画像がもっと前の日付で別の文脈で使われていれば、投稿の説明と食い違っている可能性があります。一方、検索で何も出てこないことは、本物であることの証明にはなりません。

手順5:複数の情報源で照合する

同じ内容を、立場の異なる複数の情報源(報道機関、官公庁、当事者の公式発表、書籍など)で確認します。大きな出来事なら、複数の主要メディアが報じているはずです。1つの出どころだけが主張している場合は、慎重になる理由になります。

確認しても分からないときは

確かめられない情報は、「分からない」としたまま広めないのが基本です。いいね・リポスト・転送は、それ自体が拡散の一部になります。

図2 1つの情報を確かめる5ステップ
1発信者を確認2一次情報を探す3日付を確認4画像を逆引き5複数ソースで照合
分からないときは、広めない。

サイトの信頼性を客観指標で確認する方法とその限界

情報の出どころがニュースサイトや企業サイトの場合、そのサイト自体について客観的に確認できる事実があります。サイトスカウター(/rating/・/seo/・/server/)で見られる項目を、実際の機能に沿って整理します。

先に大事な前提:内容の真偽は判定できません

以下の指標は、サイトの作りや履歴を示す客観的な材料です。ここが良好でも、そのサイトに書かれている内容が正しいとは限りません。逆に、新しいサイトや被リンクの少ないサイトが、必ず偽情報を出しているわけでもありません。サイトの内容が真実かどうかは、前章の手順で一つひとつ確かめるしかなく、ツールで自動判定することはできません。指標は「確認の優先順位をつける補助」として使ってください。

確認できる項目と、見るポイント

見たいこと確認できる場所分かること・注意点
ドメインの取得年・登録事業者/server/ のWHOIS欄登録日、更新日、有効期限、登録事業者などを表示。TLDや非公開設定により、項目が表示されないことがあります
運営者の実体サイト内の運営者情報ページ(目視)ツールでは判定しません。手順1のとおり自分の目で確認します
HTTPS・証明書/server/ のセキュリティチェック、/seo/ のHTTPS項目通信が暗号化されているか、証明書の期限・名義の一致など。HTTPSは通信の安全性であり、内容の正しさとは無関係です
過去の履歴/rating/ のWayback Machine(保存回数・初回保存日)そのサイトが過去にどれだけ記録されているか。履歴が長いほど運営実績があるとは言えますが、運営者が途中で変わっている可能性もあります
被リンク・評価指標/rating/ のDR・UR・TF・CF・被リンク数・参照ドメイン数、政府(GOV)・教育機関(EDU)ドメインからのリンク他サイトからどれだけ参照されているか。リンクが多いことは、情報が正確なことを意味しません
ブラックリスト登録/server/ のDNSBL(6種)迷惑メール送信元などとして登録されていないか。情報の真偽とは別の観点です

履歴を見るときの視点

Wayback Machineは、Internet Archiveが提供する、過去のWebサイトのスナップショットを閲覧できる仕組みです。URLを入力してカレンダーから日付を選ぶと、その時点の見た目を確認できます。サイトスカウターでは保存回数と初回保存日を一覧で見られるので、「最近できたばかりのサイトか」の目安になります。

注意したいのは、ドメインは売買や失効後の再取得で、別の運営者に引き継がれることがある点です。取得年が古くても、現在のサイトが昔のサイトと同じ運営者とは限りません。気になる場合は、Wayback Machineで過去の内容と現在の内容がつながっているか(同じ運営者・同じテーマか)を見てください。

「新しい」「リンクが少ない」は何を意味するか

新しいサイトや、被リンクの少ないサイトは、実績を第三者が確認しにくいというだけです。個人の新しいブログにも正確な情報はあります。反対に、古く被リンクの多い大きなサイトにも、誤りは載ります。指標が示すのは、確認のしやすさの度合いと考えるのが現実的です。

ページ単体は /seo/ で

/seo/ は、ページのタイトル・見出し・メタ情報・リンク構造・サーバー設定などの技術的な作りを診断するツールです。ページ構造が整っているかは分かりますが、ここでも内容の正しさは判定されません。

図3 サイトの客観指標チェック
運営者情報名称・連絡先・所在地が確認できるドメイン登録日極端に新しくないかHTTPS・証明書有効で、名義が一致しているWayback履歴過去と現在で運営が連続している被リンク第三者から参照されている実績日付表記公開・更新日が明記されている
どれも内容の真偽を保証するものではありません。

生成AI・ディープフェイクで偽情報はどう変わるか

生成AIの普及で、文章・画像・音声・動画を、専門知識がなくても自然な見た目で作れるようになりました。ディープフェイクは、ディープラーニング(深層学習)とフェイク(偽物)を組み合わせた言葉で、実際には言っていないことを話しているように見せる合成の音声・画像・動画を指します。

内閣官房の啓発ページ「偽情報にだまされないために」は、AIによって生成された画像や動画には不自然な点が見られることがあると注意しています。ただし、見た目の違和感だけで本物か偽物かを断定するのは難しくなっています。技術が進むと、不自然さは減っていくからです。見た目を頼りにするのではなく、次の点を基本にしてください。

  • 出どころを確認する:本人や公式アカウント、報道機関が同じ動画や発言を出しているかを確かめます。
  • 前後の文脈を見る:切り取られた短い動画だけでなく、元の全編・全文があるかを探します。
  • 画像・動画を逆引きする:前章の手順4のとおり、過去の別の文脈で使われていないかを調べます。
  • お金や個人情報を求められたら、いったん止める:有名人や家族の声・顔を使った依頼でも、別の連絡手段で本人に確認します。
  • AIの回答も一次情報で裏取りする:生成AIは、もっともらしい誤りを出力することがあります。数字・日付・固有名詞・出典は、公式資料で確認してください。

また、「本物の映像なのに『AIで作ったものだ』と言われる」というように、本物を疑わせる使われ方もあります。真偽の判断は、1つの手がかりでなく、出どころと複数の情報源を合わせて行うのが基本です。

ファクトチェック機関と確認・相談先

自分で確認しても判断がつかないときは、専門の検証機関の結果を参照する方法があります。内閣官房の啓発ページでも、大手メディアや非営利組織によるファクトチェックの結果を活用することが勧められています。

日本ファクトチェックセンター(JFC)

日本ファクトチェックセンター(Japan Fact-check Center、JFC)は、ファクトチェック(事実の検証)とメディア情報リテラシーの普及に取り組む非営利組織です。2022年10月に、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)のもとで設立されました。JFCの公式サイトによると、ガイドラインは国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の原則に沿っており、検証記事は無料で公開されています。気になる情報が既に検証されていないか、まず検索や公式サイトで調べる使い方が現実的です。

他の確認先

  • 官公庁・自治体の公式発表:災害や制度に関する情報は、所管する機関の公式サイトで確認します。
  • 報道機関の検証記事:各社が独自にファクトチェック記事を出していることがあります。
  • 総務省・内閣官房の啓発資料:偽・誤情報への向き合い方がまとめられています。

投稿が詐欺や権利侵害に当たる場合は、法的な判断が必要になります。個別の事案は、警察相談専用電話(#9110)や消費者ホットライン(188)などの公的窓口、または弁護士にご相談ください。

民間の非営利団体の取り組み

Webサイトの信頼性や情報リテラシーに関しては、民間の非営利団体も活動しています。一般社団法人ネット信頼性機構(GIG)は、Webサイトの信頼性評価・認証、ドメインの不正利用の監視、情報リテラシー教育などに取り組む非営利団体です。サイトスカウターとは関連する団体です。

図4 情報を確かめるときの4つの層
専門機関ファクトチェック記事・公式発表複数ソース報道・官公庁・当事者の照合一次情報元の資料・発言・データ発信者・サイト運営者情報と客観指標
下の層ほど、確実に確認しやすくなります。

確認の習慣を日常に取り入れる

最後に、日々の利用で無理なく続けられる習慣をまとめます。

  1. シェアする前に10秒止まる:発信者・日付・出典の3点だけでも確認します。
  2. 感情が大きく動いたときほど疑う:怒りや不安を感じたら、一度画面を閉じます。
  3. 訂正を歓迎する:誤った情報を広めてしまったら、気づいた時点で削除・訂正し、見た人に伝えます。誤情報は誰にでも起こります。
  4. 家族や周囲と共有する:高齢の家族や子どもには、確認の手順を一緒に試してみてください。
  5. 特定の情報源に偏らない:複数の立場の情報源に触れるようにします。

サイトスカウターは、発信元のサイトの客観的な指標を確認するための補助ツールです。情報の真偽を判断するのは、最終的にはあなた自身の確認です。ツールの結果は、その確認の優先順位を決める材料として使ってください。

サイトスカウターで調べる

確認したい情報の発信元サイトのドメインを、サイトスカウターの /rating/ に入れてみてください。ただし、サイトの内容が真実かどうかまでは判定できません。

ドメイン査定(スカウター)を使う
一般社団法人ネット信頼性機構(GIG)のトップページ
一般社団法人ネット信頼性機構(GIG)

Webサイトの信頼性評価・認証、ドメインの不正利用の監視、情報リテラシー教育に取り組む非営利団体です。

GIGの公式サイトを見る

よくある質問

偽情報と誤情報の一番の違いは何ですか?

広める側の意図です。総務省は、偽情報を意図的・意識的に作られたウソの情報、誤情報を勘違いや誤解により拡散した間違い情報と説明しています。内容が誤っている点は同じですが、偽と知って広めるのが偽情報、本当だと信じて広めるのが誤情報です。

悪意ある情報(マルインフォメーション)とは何ですか?

UNESCOのハンドブックでは、現実に基づいているが、人・組織・国に害を与えるために使われる情報とされています。内容そのものは事実でも、使い方によって問題になる点が、偽情報や誤情報と異なります。

フェイクニュースと偽情報は同じですか?

完全には同じではありません。フェイクニュースは意味がはっきりしない言葉で、UNESCOのハンドブックは、この言葉の議論が誤情報と偽情報を混同しやすいと指摘し、偽情報・誤情報という枠組みで整理しています。

サイトスカウターでサイトの内容が本当かどうか分かりますか?

分かりません。サイトスカウターで確認できるのは、ドメインの登録情報、HTTPSや証明書、Wayback Machineでの保存履歴、被リンクなどの客観的な指標です。サイトに書かれた内容の真偽は判定できないため、一次情報や複数の情報源で確認してください。

ドメインが古いサイトなら信頼してよいですか?

それだけでは判断できません。ドメインは売買や失効後の再取得で別の運営者に引き継がれることがあり、取得年が古くても現在の運営者が同じとは限りません。Wayback Machineで過去と現在の内容がつながっているかも確認してください。

画像が本物か確認するにはどうすればよいですか?

画像検索(Googleレンズなど)で、同じ画像が過去に別の文脈で使われていないかを調べます。元の投稿や公式の発表も探してください。検索で何も出ないことは、本物である証明にはなりません。

出典・参考資料

最終確認日:2026-10-06。制度・仕様は変更されることがあるため、実施前に各一次情報をご確認ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。被害に遭われた場合や判断に迷う場合は、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)などの公的窓口にご相談ください。